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SASE(Secure Access Service Edge、サシー)は、ネットワークとセキュリティを統合し、クラウドサービスとして提供する新しいITインフラの概念です。2019年にガートナー社が提唱して以来、急速に注目を集めているようです。
従来、企業のITシステムは社内ネットワークとデータセンターを中心に構築されていました。しかし、クラウドサービスの普及やリモートワークの拡大により、「どこからでも安全に業務ができる」環境が求められるようになりました。従来型の境界型セキュリティでは、こうした柔軟な働き方や多様なアクセス経路に十分対応できなくなっています。
SASEの主な特徴
- ネットワークとセキュリティの統合
SASEは、SD-WAN(ソフトウェア定義WAN)、CASB(クラウドアクセスセキュリティブローカー)、SWG(セキュアWebゲートウェイ)、ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)など、従来は個別に導入していたネットワークとセキュリティ機能をクラウド上で一元的に提供します。
- ゼロトラスト・アーキテクチャの実現
「誰も信用しない」を前提に、ユーザーや端末ごとに認証・検証を行い、必要最小限のアクセス権を与えるゼロトラストの考え方を実現する基盤となります。
- クラウドネイティブなサービス
オフィス・自宅・外出先など、場所を問わず最適なネットワークとセキュリティを提供。グローバルな拠点展開やリモートワークにも柔軟に対応できます。
SASE導入のメリット
- 運用の簡素化とコスト削減
ネットワークとセキュリティが統合されているため、複数のベンダー製品を個別に管理する必要がなくなり、運用負荷やコストを大幅に削減できます。
- セキュリティレベルの向上
クラウド経由で常に最新のセキュリティ機能が提供され、サイバー攻撃や情報漏洩リスクを低減します。実際にSASE導入企業の61%が「セキュリティ体制が向上した」と回答しているようです。
- 柔軟な働き方への対応
リモートワークや多拠点展開でも、ユーザーごとに一貫したセキュリティとネットワーク品質を担保できます。
- グローバル展開やクラウド移行の加速
世界中どこからでも高速かつ安全にアプリケーションやデータへアクセス可能。クラウドシフトを支える基盤になります。
SASEの主なユースケース
ユースケース | SASEの活用ポイント |
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MPLSからSD-WANへの移行 | コスト削減と柔軟なネットワーク構築 |
グローバル拠点の最適接続 | 低遅延・高品質な通信を実現 |
支店のインターネット分離 | セキュリティを維持しつつ直接インターネット接続可能 |
クラウドサービスの利用最適化 | クラウドアプリへの高速・安全なアクセス |
リモートワーク・在宅勤務の強化 | どこからでも一貫したセキュリティとネットワーク品質を提供 |
管理の簡素化 | 一元管理による運用負荷軽減 |
2025年のSASE最新トレンド
- 単一ベンダー型SASEの人気上昇
複数ベンダー製品の連携による運用の煩雑さを避けるため、61%の企業が「統合型SASE」を選択しています。
- ゼロトラストの浸透
ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)の導入率が年々上昇し、クラウドファーストなセキュリティ戦略が主流になっています。
- クラウド&ハイブリッドモデルの拡大
パブリッククラウドと自社データセンターを組み合わせたハイブリッド型SASEの導入も増えています。
まとめ
SASEは、クラウドシフトやリモートワークが進む現代企業にとって、ネットワークとセキュリティを一体化し、柔軟かつ安全なIT環境を実現するための最適解の一つです。
今後もSASEの導入は加速すると予想され、注目が集まるでしょう。
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