クラウドネイティブという言葉を以前の別記事内で記載してました。今回、クラウドネイティブ自体を取り扱います。クラウドネイティブは近年のIT業界で急速に注目を集めているキーワードのようです。
2025年現在、企業のインフラやアプリケーション開発の中心的な考え方となりつつあり、その普及と進化が加速しているようです。今回、勉強しましょう。

クラウドネイティブの定義

クラウドネイティブとは、クラウドサービスの利用を前提に、クラウドの特性を最大限に活かす形でシステムやアプリケーションを設計・構築する概念です。
従来のオンプレミス環境からの単なる移行（クラウドリフト）や、クラウドを優先的に選択するクラウドファーストとは異なり、最初からクラウド環境での運用を前提としています。

クラウドネイティブが求められる背景

• ビジネス環境の変化が加速し、ITサービスにも迅速な対応が求められる
• アジャイルやDevOpsなどの柔軟な開発手法の普及
• システムのスケーラビリティや運用効率の向上への期待

主な技術要素と最新トレンド

クラウドネイティブを支える代表的な技術には、以下が挙げられます。

• コンテナ技術（例：Docker）
• コンテナオーケストレーション（例：Kubernetes）
• サーバーレスアーキテクチャ（例：AWS Lambda）
• Service Mesh、分散ストレージ、CI/CD自動化

特にKubernetesの普及が著しく、2024年時点でクラウドネイティブ技術の採用率は89%に達し、組織規模を問わず導入が進んでいるようです。また、CI/CDツールの利用も拡大し、開発から運用までの自動化まで波及しているようです。

クラウドネイティブ導入のメリット

• インフラ運用コストの削減
  自社でハードウェアを持たず、運用・保守の手間も軽減。
• スケールアップ・ダウンの柔軟性
  必要に応じてリソースを増減でき、ビジネスの変化に素早く対応。
• 障害復旧やサービス拡張の迅速化
  コンテナやサーバーレス基盤により、システム障害時の復旧や新サービスの展開がスムーズ。
• 開発・運用の効率化
  CI/CDやGitOpsなどの自動化ツールにより、リリースサイクルが短縮。

導入事例

例えば、金融業界の事例では、ブロックチェーンシステムの一部をクラウドネイティブ基盤に移行し、Kubernetesとサーバーレスを組み合わせることで、運用作業の効率化や障害時の迅速な復旧、柔軟なスケーリングを実現しています。

まとめ

クラウドネイティブは、単なるクラウド移行ではなく、クラウドの強みを最大限に活かしたシステム設計・運用の新たなスタンダードです。
今後も、企業の競争力向上やIT部門の効率化の鍵として、さらなる普及が期待されています。
ただし、クラウドサービスは新サービスや廃止サービスの波が荒いため、技術のキャッチアップも並行する必要があります。